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PICK UP!

あなたの言葉を

 人気作家が「毎日小学生新聞」で連載していたエッセイをまとめたのが本書。小学生の読者を想定して書かれているのだけれど、年齢に関係なくおすすめしたい1冊だ。
 例えば、こんなエピソードが紹介されている。ベストセラーになった小説『かがみの孤城』に、主人公の女の子が「雨の匂いがする」と口にし、クラスメートたちに気取っていると笑われ、真似されてからかわれるシーンがあるが、著者自身も同じような経験をしたことがあるそう。そして、こう続ける。「思ったことを口にすることは悪いことでもなんでもない。それはわかっているのだけれど、人に笑われたくはない。だから私は、友だちの前では出せなかった気持ちをノートに書くことで、『自分の言葉』の成長を止めずにすんだ。胸中に抱いたモヤモヤを言語化して自分の言葉を獲得することは、正解のない社会の中で自分を守ることにつながる」と。
 子供にもわかるやさしい言葉で書かれたエッセイ集は、深い洞察と思いやりに溢れていて、読むほどに心がポカポカしてくる。「子供時代にこの本に出会えていたらよかったな」と思うと同時に、「大人として、自分はどうありたいか」を考えさせられもする。そしてまた、辻村深月という作家がいかにして誕生したか、その作品の魅力の根源にあるもの何かも、見えてくる。

2024.4月刊行
著者:辻村深月 発行:文藝春秋

茶柱の立つところ

 中学生のときにデビューしてから45年、俳優として活躍し、味のあるエッセイの書き手としても定評のある著者が、50代半ばを過ぎた今、「日々考えていること、実践していること、暮らしの楽しみ」をつづったエッセイ集。
 基本的に家でひとり過ごすのが好きなタイプだから、これといって何が起こるわけでもない。インスタグラムで動物の動画を見てほのぼのしたり、ベランダ菜園で育てている野菜たちをオヤジ気分で応援したり、飼い猫や気の置けない先輩たちと暑苦しすぎない関係を楽しんだり。たまに外出したかと思えば、幼なじみとのバスツアーで、おつまみコンブを噛みながらバスガイドさんのトークに聞き惚れる……という具合。
 派手な職業とは思えない地味~な生活ぶりなのだが、だからこそ、なんてことのない日常の中から小さな幸せを次々に発見できる着眼点と、文章から立ち上ってくるそこはかとないユーモアセンスが光る。著者のようなスタンスでいられたら、今いるここがいつでも「茶柱の立つところ」=幸せな場所になるのかも。

2024.3月刊行
著者:小林聡美 発行:文藝春秋

ファラオの密室

 第22回「このミステリーがすごい!」大賞を審査員の満場一致で受賞した物語の舞台は、紀元前14世紀のエジプト。しかも 主人公はなんとミイラだ。
 王墓の内壁に呪文を刻む仕事を主導していた上級神官書記のセティは、気がつくとミイラになって冥界にいた。半年前に命を落としミイラの処置をされたらしいのだが、心臓に欠けがあるため冥界の審判を受けらず、現世に戻って心臓の欠片を探すよう言い渡される。与えられた猶予期間はわずか3日。その間に見つけ出させなければ、魂は永遠にさまようしかないという。
 死んだときの記憶を全て失った状態でセティは現世に蘇り、ミイラの姿で捜索をスタート。「あれ、お前、死んだんじゃなかった?」なんて驚かれながら、関係者に事情聴取を重ねていくのである。やがてわかってきたのは、自分が王墓での崩落事故に巻き込まれたあげく、何者かにナイフで刺されたらしいこと。いったい誰が、なんのために!?
 動揺しながら捜査を進めるうち、先王のミイラが葬送の儀の最中、密室状態であるピラミッドの玄室から忽然と消えて別の場所で発見されるという事件が勃発。セティは親友のミイラ職人と協力しながら、ファラオの遺体消失事件にも挑むことに……。
 奇想天外な設定で、搾取する側とされる側の格差の問題や親子関係の機微を描き、謎解きの楽しさも堪能させてくれるミステリー。ハラハラドキドキワクワクのあとに、心温まるラストが待っている。

2024.01.10
著者:白川尚史 発行:宝島社

パッキパキ北京

 主人公は、元銀座のホステスで、20歳年上のエリートと結婚した菖蒲(あやめ)。「剛力彩芽に悪霊乗り移らせたみたいな顔」の美人でブランドが大好き。36歳になってもマイクロミニのスカートが似合うと自負している。
 結婚して間もない2019年の秋に夫が北京へ単身赴任。独り身を満喫し、コロナ禍が始まっても日本各地への旅やショッピングを満喫していた菖蒲だが、中国に馴染めず適応障害気味だという夫の求めで2022年11月、北京に行かなければならなくなる。
 初めての中国で、言葉もまるでわからないにもかかわらず、菖蒲の行動力は一向に衰えない。SNSで見つけた日本語勉強中の中国人カップルとともに、時には1人で、厳しい隔離政策があけた(でもコロナ禍の渦中ではある)北京の街を自由気ままに歩き回り、精力的に味わい尽くそうとするのだ。  著者自身、2022年の冬から翌春にかけて北京に滞在していたという。その実体験と、17歳で作家デビューしてから22年にわたり第一線で活躍してきた鋭い観察眼に裏打ちされた小説には、中国の現在(高級料理から超ローカルフードに至る食、ファッション、カオスすぎる交通事情、北京っ子たちの生態etc.)が生き生きと写しとられていく。  主人公の菖蒲は、実の母親からさえ〈あんたって子は、物は盗らないけど、本質的には泥棒だ!〉と罵倒され、妹からは塩をまかれるような超身勝手人間。〈私にとって知性とはムカつく相手をどれくらい早く言い負かせるかだし、教養とは狡い男に騙されず自分の好きなように生きるスキルのこと〉なんて断言しちゃうやつだ。だから、読み始めてしばらくは、軽薄でイヤな女としか思えない。でも、物語が進むにつれ、頼もしく、愛おしく、羨ましく思えてくる。  怒りや焦りはお肌に悪いから顔に出さないと心に決めている彼女、どんなときでも平常心を保ち、誰に何を言われようと〈面の皮厚蔵〉でへこたれない。〈もし上手くできなくても、勝ちには変わりない。なんでなら最初から勝ってると自分で決めてるからよ〉〈私が私を見捨てる日は永遠に来ない〉と開き直ってしまう。そんな菖蒲式「精神勝利法」を取り入れれば、生きるのがラクになるかも。

2023年12月刊行
著者:綿矢りさ 発行:集英社

ジェンダー・クライム

 土手下の草地で見つかった中年男性の全裸死体。肛門に詰め込まれた紙には「目には目を」という言葉が書かれていた。やがて被害者の息子が、3年前に集団レイプ事件で逮捕され、示談となって釈放された犯人の一人だということが判明する。
 その事件の被害者――合コンでレイプドラッグを飲み物に入れられ、意識のないまま蹂躙された女子大生は、以来ずっと引きこもり状態。レイプ犯たちとその家族は被害者に一度も謝罪することなく、権力と金の力で被害者家族を脅し、告訴を取り下げさせていた。興味本位のマスコミや世間の心ない中傷にさらされた被害者の兄と両親も心に深い傷を負い、家庭は崩壊の危機にあった。  複雑に絡み合った事件の背景を解きほぐしていくのは、捜査本部の一端に加えられた鞍岡という強行犯係の中年警部補と、捜査一課に抜擢されたばかりの志波。鞍岡は、かつて捜査一課のエースだったが、ある事件がきっかけで異動を余儀なくされた過去を持つ。一方、5年前捜査中に大ケガを負ったという志波は、体育会系っぽい見かけの男性だがフェミニストで、事情聴取中の上司に「ご主人や旦那さんではなく『夫』、奥さんではなく『○○さん』と名前で呼ぶべき」などと忖度なしで注意を繰り返す。  『永遠の仔』や『悼む人』など数々のベストセラーを送り出してきた実力派が、ジェンダー・クライム(性にまつわる犯罪)に真正面から挑み、日本社会に連綿と受け継がれてきた常識や慣行が性犯罪やセクハラを生む要因の一つになっていることをあぶり出していく。正義漢だが男意識の強かった鞍岡が、後輩である志波との関わりの中で変わっていく様子も興味深い。2人の過去に思いがけないつながりがあったことが明かされるラストにホロリ。

2024年1月刊行
著者:天童荒太 発行:文藝春秋

モヤ対談

 数々の書店を渡り歩き2022年9月に高円寺で「蟹ブックス」という書店を開いた著者。独立前も、『出会い系サイトで70人と実際に会ってその人に合いそうな本をすすめまくった1年間のこと』というタイトルそのままの内容の本を書き、WOWOWでドラマ化されるなど、カリスマ書店員として本好きの間では広く知られていた女性だ。
 そんな彼女自身が読んで心打たれた本の著者たち20人を招き、語り合った。ヨシタケシンスケ(絵本作家)とは「大人だって完璧じゃない」というテーマで。窪美澄(作家)とは「子持ちの恋愛」について。山崎ナオコーラ(作家)とは「家事と生産性」について。田房永子(漫画家)とは「家族という呪縛」というテーマで。また、ブレイディみかこ(ロンドン在住ライター)とは「エンパシーの鍛え方」について。荒井裕樹(文学者)とは「マイノリティーと人権」について。東畑開人(臨床心理士)とは「心を守るには」というテーマで。西加奈子(作家)とは「助けを求める」ことについて。ジェーン・スー(コラムニスト)とは「おばさんを楽しむ」というテーマで……。
 それぞれの著者の本を咀嚼して紹介しつつ、読みながら抱いた疑問や日頃抱えていたモヤモヤをゲストたちにストレートにぶつけ、とことん語り尽くしていく。それを読むことで私たちの内なるモヤモヤもまた解決の糸口が見えてくる。生きるヒントが見つかる対談集。

2023年11月刊行
著者:花田菜々子 発行:小学館 ¥1,870円

隆明だもの

 漫画家・エッセイストとして活躍する著者は、吉本隆明の長女で、作家の吉本ばななを妹に持つ。母は俳句の才に優れ、2冊の句集を出している。本書は、そんな彼女が、2012年に亡くなった父とのエピソードを軸に、家族とその周囲の人々について奇譚なくつづったエッセイ集だ。
 吉本隆明といえば数多の知識人に影響を与え尊敬されてきた「戦後思想界の巨人」だけれど、いやあ、こんなに凄まじくヘンテコな人だったとは……というか、お母さんもかなりヘン、いやいや娘たちもヘン……。あまりのヘンテコぶりに驚き呆れ笑ってしまう。ただし、そのヘンテコのいくつかは世の中の常識と照らし合わせるからヘンなのであって、確固たる芯がある。要領が悪くて生きるのが下手くそだけれど、人として極めてまっとうとも言え、読んでいて清々しい。
 妹のばななさんは早くに家を出たが、著者は両親が亡くなるまで同居。晩年、ほとんど目が見えず脚も悪くなっていた父や、病がちな母の介護も引き受けていた。とはいえ、その様子をつづる筆致はあくまでユーモラスでドライ。両親のトホホな部分も思い切りさらけだし、シビアに分析してみせる。それでいて、根底にある父母への敬愛の念が文章の端々から伝わってもくる。
 〈群れるな。ひとりがいちばん強い〉〈普通に生きてる人が一番エライ〉と父に刷り込まれて育ったという著者は、とことんゴーイング・マイウェイ。超がつく猫好きで、何匹も飼うだけでは飽き足らず、1年365日深夜に自転車で「猫巡回」と称する野良猫観察に出かけるのが習慣だ。医師に「お父さんは今夜が山」と告げられた夜も、当然のように猫巡回に行ってしまう。そのため父の死に目に会えず「やっちまった」と思う一方で、父なら最期の瞬間にそばにいるより〈その時お前は本当にお前らしい事をしていたか?〉と私に尋ね、〈もちろん〉と答えるほうを喜ぶはずと確信もしている。
 世の中の常識や他人の目に縛られがちな人におすすめ。型破りな家族&親子関係に驚いたり、笑わされたり、時にあきれたりしながら読み進むうち、なんだか気持ちが軽くなっていく。巻末に収録された妹ばななさんとの対談も興味深く面白い。

2023年12月刊行
著者:ハルノ宵子 発行:晶文社 ¥1,870

言語の力

 著者はアメリカの大学で教える「言語心理学」の研究者。英語、ルーマニア語、ロシア語のマルチリンガルで、ほかにも広東語、オランダ語、日本語、フランス語、ドイツ語、イタリア語、スペイン語、タイ語、アメリカ手話などを研究対象に、「人はどのように言葉を学習するか」「人が言葉を話すとき、脳はどのように働くのか」「言語を学習すると、脳の構造や情報処理の仕方がどう変わり、思考がどう変容するか」を長年にわたり研究してきたという。その成果を、最新のデータも紹介しつつ一般人にもわかりやすくまとめたのが本書だ。
 翻訳ソフトやChatGPTの登場で外国語を学ぶ必要性が薄れつつあるけれど、著者によれば、〈複数の言語を話すことで創造的な思考に使うリソースが増え、偏見に陥りにくくなり、認知をコントロールする力も手に入る〉そう。新たに外国語を学べば、アルツハイマー病などの発症を4年から6年遅らせたり、認知症になっても症状が出にくくなる効果も期待できるという。
 本書を参考に、新しい言葉にチャレンジしてみない? 著者いわく、〈新しい言語を習う最適な時期は『生まれたとき』だけれど、その次に最適なタイミングは『今』!〉」だそうだから。

2023年12月刊行
著者:ビオリカ・マリアン 訳:桜田直美 発行:KADOKAWA

母、アンナ

 ポリトコフスカヤは自宅のエレベータで何者かに射殺された。チェチェン紛争をはじめ、プーチン政権下での人権侵害を取材しては追及を続け、たび重なる脅迫を受けながらも活動をやめなかった結果として。
 著者はアンナの娘。母のあとを追うようにジャーナリストとなるが、2022年4月、ロシアからの亡命を余儀なくされる。ウクライナ侵攻後、今度は自身が命の危険にさらされ、ティーンエイジャーの娘までクラスメイトから攻撃されるようになったためだ。
 亡命して自由に発言できるようになってから、イタリア人女性ジャーナリストとの共著として書いたのが本書。弾圧に屈せずプーチン批判を続けた英雄として西側から高く評価されるアンナの素顔や彼女が遺したメッセージとともに、「英雄」を母親に持ったがゆえの苦悩や、「勇敢でありなさい」という在りし日の母の言葉を胸に同じ道を歩もうと決めるまでの葛藤が丹念につづられていく。
 プーチン政権下で政治犯として逮捕された人々は数百人にのぼるという。暗殺された者、不審死を遂げた者も多く、アンナが勤務していたリベラル系の新聞社だけでも6人の記者が命を失った。コロナ禍とウクライナ戦争を経て政権批判はさらに困難となり、SNSや知人との会話さえ当局に取り締まられるようになったロシア社会を著者は内側から見つめ、考察していく。〈意識を抑圧する訓練が日常となり、無関心を貫くことが生き延びるための道となった。その枠からはじき出した者は運がよければ錯乱者として扱われ、悪ければ排除すべき危険分子と見なされる〉と。胸揺さぶられ、さまざまなことを考えさせられる1冊。

2023年11月刊行
著者:ヴェーラ・ポリトコフスカヤほか 訳:関口英子ほか 発行:NHK出版 

川のある街

 川と時間と人生――3つの「流れるもの」をテーマにした「川のある街」「川のある街Ⅱ」「川のある街Ⅲ」という3編が収録されている。1作目は、両親が離婚し、母親の実家がある郊外の街に引っ越してきた8歳の少女の成長を描く。2作目は、結婚相手の家族に会うため北陸の地方都市にやってきた女性と、出産を控える3人の妊婦を巡る物語。
 特に心にしみるのが、運河の張りめぐらされたヨーロッパの街を舞台にした3作目だ。40数年前、その街に移住した芙美子のもとを、姪の澪が訪ねてくる。澪の目的は、父に頼まれて芙美子に帰国をうながすこと。若き日に大学教師の職を捨て、同性の恋人とともに日本を飛び出した伯母は、愛する人に先立たれて今はひとり。年老いて、認知症も発症していた。
 大好きで尊敬もしていた伯母は集中力を欠き、何かと我慢が効かなくなり、時々目がうつろになってしまう。その一方、昔と変わらぬ冴えも見せ、ひとりの生活を楽しんでもいた。そんな伯母になかなか帰国を勧められない澪は、やりがいのある仕事とやさしい恋人がいるにもかかわらず、運河と美術館のある異国に暮らす「あり得たかもしれない未来」を想像してしまうのだ……。
 川の流れに人生を重ねるかのように、それぞれの濃密な生の営みが静かな筆致で描かれていく。読み終えてページを閉じたあと、3つの物語を通して届けたかったのだろう著者の思いが聞こえたような気がする。たとえ認知症で記憶が失われようと、その人がこの世からいなくなってしまおうと、どんな人生も貴いのだ、と。

2024年2月刊行
著者:江國香織 発行:朝日新聞出版 

錠剤F

 10の物語からなる短編集は、平凡な人々の日常がふと揺らぐ瞬間を鮮やかに掬い取ってみせる。
 夫が突然逮捕されたことで、ともに暮らしてきた相手の真の姿を知らなかったことに愕然とする「刺繍の家」。コンビニで働く青年が、女性客に突然、あなたの子種がほしいんですと言われる「ぴぴぴーズ」。マッチングアプリのデートもうまくいかず、劣等感を募らせている保育士が主人公の「みみず」。嫌なことに目をつぶって生きてきた定食屋のおかみさんが、近所のクレーマーからとんでもないクレームをつけられる「あたらしい日よけ」。同僚がネットで自殺のための薬を買おうとしていることを知ってしまうハウスクリーニングの女性を描く「錠剤F」etc.……。主人公たちが人知れず抱えている寂しさ、幸せに見える日々の隙間に潜む現代社会ならではの孤独を浮き彫りにしていく手腕は、さすが小説巧者!
 読後感は、かなり悪い。読むほどに心がざわざわして、周囲に不穏な空気がたちこめていくようだ。なのに、ページをめくりつづけてしまうのは、読者自身の中にも少なからず存在するマイナス感情が掘り起こされ、主人公たちのそれと響き合うからなのだろう。予想を裏切るストーリー展開と巧みな心理描写にうならされる。

2024年1月刊行
著者:井上荒野 発行:集英社

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